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    Mitophagyについて

     オートファジーは一般的に、隔離膜と呼ばれる脂質二重膜による細胞質の非選択的取り込みと、形成された隔離膜(オートファゴソーム)のリソソーム/液胞との融合による分解をさす。近年、この非選択的なオートファジーに対して、選択的に蛋白質やオルガネラを分解する、選択的オートファジーの存在が明らかになってきた。この選択的オートファジーには、Cvt pathway(酵母にのみ観察されている。Ape1とAms1の液胞への輸送), Pexophagy(ペロキシソームのオートファジー), Mitophagy(ミトコンドリアのオートファジー), ER-phagy(小胞体のオートファジー)などの存在が知られている。これまで、Cvt pathwayやPexophagyに関しての研究はなされてきたが、Mitophagyの研究は、非常に限られた範囲でしか行われてこなかった。
     Mitophagyは、ダメージを受けたミトコンドリアを選択的にオートファジーによって取り除く機構と考えられており、以下に示すように細胞において、非常に重要な役割を果たしていると考えられている。


    ミトコンドリアと酸化傷害

     ミトコンドリアは、酸化的リン酸化による細胞にエネルギーを供給、脂肪酸代謝、アポトーシスの制御など、様々な役割を担っている重要なオルガネラである。同時にミトコンドリアは、酸化的リン酸化の過程で活性酸素(ROS)を産生し、ROSによる酸化傷害を最も受けやすいオルガネラでもある。このため、ミトコンドリアは、ミトコンドリアDNA(mtDNA)の修復酵素や(おそらくダメージを受けた蛋白質も分解していると思われる)蛋白分解酵素を持っている。それでも十分に修復できなかったミトコンドリアや古くなったミトコンドリアをMitophagyが除去していると考えられている。


    Mitophagyの分子機構

     これまで私たちは、酵母を用いてMitophagyの分子機構の解明を試みてきました。これまでに私たちは、Mitophagyに選択的オートファジー共通のアダプター蛋白質Atg11が必要なこと(J Biol Chem. 2008)を明らかにした。次に、Mitophagy関連遺伝子の網羅的解析から、新規の蛋白質Atg32を同定した。このAtg32は、ミトコンドリア外膜の膜蛋白質でAtg11のレセプターとして働き、Mitophagyの誘導とともに、Atg11がAtg32に結合し、隔離膜が形成される足場となる液胞表面のPAS(Phagophore Assembly SiteまたはPre-Autophagosomal Structure)へとミトコンドリアを輸送していくことを明らかにした(Dev Cell. 2009)。こうして明らかになったMitophagyの分子機構は、他の選択的オートファジーと非常に似通ったものであった。下図に、私たちが明らかにしてきたMitophagyを含む、選択的オートファジーのモデルを示す(Dev Cell. 2009より)。


    酵母の実験

    準備中

    ヒト細胞の実験

    準備中

    線虫の実験

    準備中

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